認定NPO法人子ども支援センターつなっぐは、新司法面接プロジェクトにおいて日本版司法面接ガイドライン及びプロトコルについての研究・開発を行ってきましたが、昨年11月に発表した「日本版司法面接ガイドライン」に続き、新しいプロトコルとして、司法面接の手順を示した「司法面接構造」がまとまりましたので、公開いたしました。
多くの皆様のご協力並びにご指導ご鞭撻を頂戴し、ようやく発行の運びとなりましたこと、改めて心より御礼申し上げます。
※日本版司法面接ガイドラインと司法面接構造等をまとめて「司法面接実施の手引き」として、下記に掲載いたしました(2024.5)。
「司法面接構造」を面接で使用された際のお願い
公開している「司法面接構造」は、使用に制限はありませんが、当法人にて使用状況を統計的に把握したいと考えております。実際の面接で使用されたときは、下記フォームに差し支えのない範囲でご記入いただき、お知らせください。
冊子のご購入について
「司法面接実施の手引き」について、冊子のご購入を希望される方は、下記フォームよりお申込みください。
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「つなっぐ司法面接研修」のご案内
つなっぐでは、「司法面接構造」を利用するための研修を開催しております。
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当法人は2022年9月より、アメリカのNational Children’s Advocacy Center(NCAC)のコンサルテーションのもと、⽇本の法制度及び社会文化的環境により一層即した形で、子どもに対する司法面接が行われる必要があるとの認識に基づき、日本版司法面接ガイドライン・プロトコルの研究・開発(新司法面接プロジェクト)を実施してきました。
エリン・ウィリアムソン
(Erin Williamson)
トリーシャ・メルバーグ・ケーター
(Trisha Mellberg Cater)
本プロジェクトでの研究成果を中間報告書として公表することにより、一定の研修を積んだ面接者らが、実際に子どもに対して司法面接を行う際に利用・参照して頂ければと考えております。今回の公表は、日本の法制度・社会文化的環境により一層即した形で、子どもに対する司法面接が行われ、日本でも子どもに対する司法面接がより一般的な手法として広がり、子どもの権利が十分に擁護される社会の実現をねらいとしています。
現在日本で紹介・実践されている司法面接プロトコルは、元々、外国の児童虐待法制、対応機関の在り方を前提とした、一連の児童虐待対応システムの一部分をなすものです。現在では、その中で、特に、子どもに対する司法面接における実際の聴取部分のみが日本の関係者らの間で広く知られ、日本において司法面接が普及してきましたが、子どもに対する司法面接の構造全体についての理解が広がっていないことにより、プロトコルの独り歩きや誤解による弊害も散見されるように思われます。
また、⼦どもたちが安全な環境下で供述する権利、利益の実質的保障や、⼦どもたちが裁判所に出廷すること等による⼆次被害の防⽌が不⼗分である等の課題があります。
当プロジェクトは、子どもの権利擁護に資することを目的として、⽇本の法制度・社会文化的環境に一層即した形で、子どもに対する司法面接が行われる必要があるとの認識に基づき、NCAC (National Children’s Advocacy Center)によるコンサルティングを受けつつ、日本で現在行われている取組の実情や課題等を把握し、かつ実際の面接者らが利用・参照可能な日本版司法面接プロトコルを作成するため、実際に代表者聴取・協同面接・司法面接に関わっている実務者・研究者らとの協議やヒアリングを行い、①司法面接に関わる人たちが使いやすく、②中立性があり③子どもに負担の少ない日本版司法面接プロトコルの研究・開発を行うものです。
このたびの報告書はその一環としてのものです。